しばらく車を走らせること20分。
アタシは都内の高級住宅街の一角の、とーっても綺麗なマンションの目の前に居た。
しかも健太さんと二人っきり。
直人くんと菜々美は珍しさからか、散歩に行くと言い出し、どこかへ行ってしまった。
さっきから約10分くらい二人で、このとーっても綺麗なマンションの前で立ってる。
理由を聞くにも聞きにくいし、だけど通行人の注目の的だし。
どうしたらいいの、アタシ。
俯いてると、健太さんが急に歩き出した。
ビックリして見ると、不機嫌そうな顔をしてこっちを見てきた。
「俺ら約10分くらい待ったよね?」
「まあ…」
「アイツどんだけ待たせんだよ。
もう怒った。
裸だろうと何だろうと、俺は行く。
瞳ちゃん、おいで」
そう言って手を差し出してきた。