狼の遠吠えのような声。

シロンはそれに
ビクリと反応します。


「ヤバッ、デカイ声
出しすぎた」


シロンは慌てて
アルスを抱きかかえると、
近くの大きな木の枝に
飛び移り、木の葉に
身を潜めます。


「…ったく、何なんだよっ…!」
「静かに!」

顔を上げる
アルスの頭を
シロンは
乱暴に押さえ付けます。