「だから俺はてっきり、
後先短いような老人が
来ると思って、なら
いっそのこと食い殺して
楽にしてやるつもり
だったんだ…
でも、来たのはまだまだ
これからの少年ひとり。
これじゃあ気が引けて、
食えやしねぇ」

シロンは再びため息を
つきました。

アルスはうつむき、
黙ったままです。

それを見かねたシロンは
アルスの頭を優しく
ぽんぽんと叩きました。