あれから私は、2時間近く
眠ってしまっていたようで
目覚めたら、時計は9時半
をさしていた。

ドアに手をかけた私に
聞こえる声。

伊吹さんの声の後に

芳野さんの声が聞こえた。

「俺も、行こうかなぁ
 今日は予定無くて
 暇だし・・・
 お邪魔じゃないなら」

「ほんと、そうしてくれよ
 お前が居てくれると助かる 
 お前の方が、色々
 店、知ってるだろう?
 
 俺、そういうの全く
 無頓着だからな」

「カヤノに買い物、付き合わ
 されてるんじゃないの?」

「アイツが行くところは
 いつも同じ店」

「そうそう
 そのお気に入りの店で
 何時間も、悩み続ける女」