私は、声を出して

抵抗したりしない。

もがいて、ここから

逃げ出そうともしない。

何もしない・・・

私はただ、彼が果てるのを
待つだけ

芳野さんは、私に触れる
手を止める。

そして、私を真っ直ぐに
見つめる。

その瞳・・・

なんて綺麗な瞳なの?

妖艶な瞳に、私が映る。

「きれい・・・」

私は、彼の頬に触れた。