青蝶夢 *Ⅰ*

でも、昔と少しも変わらない。
 
あの時のまま・・・

これは夢?

幻?

「どうして、ここにいるの?」

私の頬を流れる涙を、貴方は
優しく拭ってくれた。

「ヒイロ
 君を、迎えに来たよ
 君が望むなら
 俺が連れ去ってあげる」

連れ去ってあげる・・・

貴方は真剣な表情で
私に、そう告げて
右手を差し出した。

「行こう、一緒に」