青蝶夢 *Ⅰ*

「おいおい 
 飲みすぎだろう」

酒を飲むペースを全く崩さない
伊吹はもう相当、出来上がって
いた。

芳野は、こんなにも伊吹が酒を
飲んで酔う姿を見たのは初めて
だった。

「イブキ、もうやめとけよ」

伊吹のグラスを奪う芳野の手
から、彼はグラスを取り返す。

「いいじゃん
 祝い事なんだから・・・
 飲ませろよ」

そして仕舞いには酔いつぶれて
芳野の隣で眠りにつく始末。

芳野は、その寝顔を見つめ
ながら、一人で酒を飲む。

「ヨシノ、やっぱり
 ここに来れば
 貴方に会えると思ってたぁ」

「どうして・・・?」

席を立つ、芳野。

「だって、最近の貴方
 釣れないんだもの・・・
 電話にも出てくれないし
 ・・・
 貴方に逢いたくて」

彼女もまた、酒に酔って
足元がふらついていた。