青蝶夢 *Ⅰ*

「でも、よく二人揃って
 卒業できたもんだな
 
 本当、良かったぁ」

今日の伊吹は
いつも以上に明るく
浮かれていた。

講師に、卒業が危ういと
言われ続けていた芳野が
無事に卒業できた事が
伊吹は嬉しくて堪らない。

その想いを何度も何度も
芳野に言っては聞かせる
のだった。

「でも、良かったよな
 二人とも、何とか
 設計会社に就職が決まって
 そこで、二級建築士の資格を
 取り、狙うは一級建築士」

「ああ、まだまだ
 始まったばかりだな
 何か、面倒だな」

「ヨシノ、頼むから
 設計会社で
 音を上げんなよ」

「それは、イブキ
 お前も同じだろう

 お前には、カヤノという
 自己中心的、我儘女
 が傍にいるんだから
 せいぜい、気を付けろよ」