ホテルの一室・・・

乱れたシーツの上で
目覚める芳野。

隣には、最も付き合い
の長い女の裸身が横たわる。

綺麗な背中、括れたウエスト

その、流れる曲線を
芳野は指先でなぞる。

芳野は、起き上がり
シャツを身にまとう。

そして、ズボンの
ポケットから
携帯電話を取り出した。

その携帯電話には
今も尚、伊吹からの着信が
続く。その履歴の多さに
彼は、深いため息をつく。

何度
電話に出よう、かけよう
と思った事か・・・

何度
何も無かったように
伊吹と秘色の元へ帰ろう
と思った事か・・・