アイツのお金で、学校へ通わせ
てもらっていると思うだけで
気分が悪くなる。

「ヒイロ、お願い
 高校だけは
 ちゃんと卒業してね
 天国のお父さんも、きっと
 そう願っているわ
 それから、義父さんへの
 ありがとうの気持ちを
 絶対に忘れちゃ駄目よ」
 
うるさい・・・

学校へ通える

・・・その代償は、私。

私は、飛鳥のコートの裾を
握り締めて、その場に
立ち止まった。

「どうした?」

「どうもしないよ 
 やっぱり帰るのやめる
 もう少し
 アスカと一緒にいる」

「いいのか、親父さん?」

私は、頷いた。