「もう、行っていいよ
 
 貴方を追いかけたり
 しないから
 
 もう、疲れたよ・・・」

『自分に非があるから
 彼に愛されなくても
 しかたがない』

全ては、私が

汚れているから・・・

全て、私が・・・

私は、芳野に背を向けて
伊吹さんの元へ歩き出す。

車のドアが閉まり
走り出す音が聞こえる。

本当は、このまま
一人で何処か遠くに
行ってしまいたい。

全てから逃げ出したい。

生きている事はツライ。

だけど

弱い私は、一人では
何処へも行けない。

何もできない・・・

芳野さんとの別れは

あの珈琲のように

苦く、大人の味がした。