青蝶夢 *Ⅰ*

芳野は、席へ座る事なく
テーブルの横に立ったまま
で、二人に伝える。

「済まない
 急な用事が入った
 
 今から
 行かなきゃいけない」

「行くって、ヨシノ
 どこへ行くの?」

問いかける、茅野・・・

「お前、まさか
 また女のところか?」

冷めた瞳で、そう話す
伊吹に、芳野は言う。

「ああ
 女を表で待たせてある
 
 じゃあな」

伊吹は席を立ち、芳野の
肩に触れた手に力を込める。

「ヨシノ、ちょっと待てよ
 俺達は
 お前が、どこに行こうが
 誰と何をしようが
 別に構わない
 
 だけど、ヒイロだけには
 ちゃんと自分の口から
 事情を伝えて、彼女の
 了承を得てから行けよ
  
 お前の
 大切な女なんだろう?」