青蝶夢 *Ⅰ*

「アイツ
 何か俺に隠してないか?」

芳野は、中辻を
真っ直ぐに見つめた。

「カミヤさんは今、混乱して
 いるんだと思います
 ついさっき、モデルの
 スカウトをされたばかりで
 ・・・・・・」

「モデル・・・スカウト?」

「ナカツジ君
 ちょっと手伝ってくれ」

「はい
 じゃあ、すみません」

厨房に入る彼の、後姿を
見つめた後、自販機の
煙草を選んでいる芳野。

そんな、彼の元に一人の
女性が近づき、芳野の
腕を取る。

「芳野、こんなところで
 貴方に逢うなんて・・・
 つい今、貴方に連絡しよう
 と思っていたところ
 だったのよ」

芳野に腕を絡ませるのは
以前、駐車場で抱き合っていた
あの女性だった。