芳野と茅野さん
二人の事を見つめながら
私は、気になることを
思い出してしまったの。
 
伊吹さんと私がいない家に
芳野と茅野さんは
さっきまで、二人きりだった。

芳野の愛している人が、もしも
彼女だったら・・・

二人で過ごしていた時間は
いったい何をしていたんだろう
・・・・・・?

こんな事を想う、私は
おかしいのかもしれない。

でも今朝の、芳野の嫉妬に
歪んだ横顔が私を不安にさせる

早く、芳野の元に行きたい・・

全く、話を聞かずに
よそ事を考えている私の前で
年配の洗練された、その綺麗な
女性は手を力強く2回、叩いた

その音に気づいた人達は
音のした方を、一斉に見つめる

「ヒイロ、あそこで
 何してるんだろう?」

伊吹の言葉に、茅野は
その場所を見つめて言う。

「接客中じゃないの?」

芳野はじっと

秘色を見つめる。