この場所から早く

立ち去りたい。

いつもの静かな朝を送りたい。

二人の会話を聞きながら

ううん、主に

彼女の少し高い声を
聞きながら、そう思っていた。

だって、この家には
低い声の方が似合うもの・・・

あなたの訪れで
いつもの日常が少しずつ
乱されていく。

「イブキ、お願い
 いつものコーヒー淹れてよ
 砂糖は・・・」

「多めで・・・だろう?」

「うん、疲れた時は
 甘いのに限るもの」

「ヒイロ、お前も来いよ
 淹れてやる」

「はい・・・」

本当は、これ以上
二人と一緒に居たくない。