それからの私達は、少し
崩れた関係を続けている。

伊吹さんの家で、彼に
生活の全てを面倒みて
もらいながら、恋人である
芳野と幾度と愛し合う。

伊吹さんに甘やかされた私は
それがとても、悪い事だと
分かっていても、女性の元から
帰って来て、隣で眠る芳野を
求めてしまう。

私の中に、ぽっかりと開いた
穴を、愛で満たす為に・・・

けれど決して

満たされることは無い。

貴方の愛は、私には無い。

伊吹さんと芳野の関係は
あの日以来、しっくりとは
行かない。

お互いに、本当に
伝えたい言葉を飲み込んで

ひとつ、ひとつ
言葉を選んで話す。

そんな、会話は

進まない・・・

続かない・・・