青蝶夢 *Ⅰ*

そんな、芳野さんの胸倉を
掴んで放さない伊吹さんは
彼だけを見つめた。

その、怒りを込めた瞳に
見つめられながら

芳野さんは吐き捨てる
ように言う。

「そんなに
 ヒイロが大事なら
 鎖にでも繋いどけよ」

伊吹は、呆れた顔をして
芳野の胸倉を掴む手を放した。

「ヨシノ
 当分、お前の顔
 見たくないわ
 出てけよ」

「言われなくても、そうするよ
 行くところなら山ほど・・」

「ヒイロ、お前・・・
 本気なのか?」

私は、伊吹さんが見ている前で
芳野さんに抱きついていた。

「行かないで、ヨシノ」

芳野の右腕が

秘色を抱きしめた。