伊吹さんの部屋へ戻らずに
芳野さんは、肌蹴たシャツ
を羽織った姿で、ベッドに
もたれて煙草を吸う。

私は、彼の腰元に腕を回して
離れずに、いろんな事を
考えていた。

そして、深いため息をつく。

それは、彼が言った言葉の
せいじゃない。

もちろん、これから
彼との問題で、私はきっと
悩み続けるだろう

けれど・・・

今は、私の問題。

愛を知れば、自分がどんなに
穢れた人間なのか

嫌でも思い知らされる。

壊れた人間だって

そんなことは

もう、ずっと以前に
分かっていた。

汚れた体だって事も
知ってる。