私は、受け取った荷物を
隣の開いている座席に
置いた。

赤く染まった唇・・・

ドキッとする程

貴方に似合っている。

美しい、男性(ヒト)

赤い唇・・・

あの女性(ヒト)の

赤い口紅

動揺する、私の胸。

「また、違う女か?
 
 ついてる」

伊吹さんの言葉を受けて

芳野さんは

唇を手の甲で

拭った。