青蝶夢 *Ⅰ*

「それ、脱いで
 これ、着ろ
 
 女子高生と大の男が二人
 平日のこんな時間に歩くのは
 可笑し過ぎるだろう
 
 この、ご時世
 職務質問されんぞ
 
 面倒は御免だ」

私は、制服のブレザーを脱いで
貴方に借りたコートを着る。

貴方の香りに包まれる。

こうして、制服の上から
男物のコートを羽織るのは
何回目だろう。

「ありがとう
 本当は、制服だと
 恥ずかしったんです

 ヨシノさん、ありがとう」

貴方の手が、私の腫れた
瞳にそっと、触れる。

「帰ったら、片付け
 手伝えよ

 ほら、行くぞ」

そう言って、瞳に触れた
手を着ている上着の
ポケットにしまった。