青蝶夢 *Ⅰ*

ドアをノックする音と共に
伊吹さんの声が、聞こえる。

「ヒイロ、準備はできたか?」

「・・・・・・」

「ドア、開けるぞ」

返事がない、部屋のドアを
開けた貴方は、床に座り込む
私の元へと、慌てて近寄り
私の肩に、温かい手を
そっと置いた。

「ヒイロ、どうした?
 
 気分でも悪いのか?」

貴方は、携帯電話を手に持ち
涙を流す私を見つめる。

そして、黙ったままその腕で
私を包んでくれた。

包む腕が、強く強く

痛いほどに強く

私を抱きしめる。

その腕の中で

私は、幸福を知る。

幸せな気持ち。