ランキング1位の彼女は急に黙ってしまった。 …あたしなんか悪い事言ったかな…。


「好きなだけじゃ済まない事もある。あたし達は普通じゃないんだ。いつ死ぬかわからない。もしかしたら明日、もしかしたら明後日、運が悪ければ今日中に死んでしまうかもしれない。気持ちを簡単に言葉に出してしまえばもう……、こんな仕事はできないだろう。どちらかが口にすれば任務に行きたくもなくなるし、任務に出したくもなくなる。それはあいつも同じだと思う。不器用なのもあるけど、気持ちは決して言葉には出さない。その代わりやる事は幼稚で強引だ。うんざりする時だってある。けどそれがあいつの精一杯の意思表示なんだ。…なーんて。聞かれてない事まで喋っちゃった。ごめんね」


なんだか悲しい………。お互いがお互いをいつ死んでもいいように心の準備してるみたいで。 この人達はいつもどんな気持ちで帰りを待ってるんだろう……?


「そんなのにあんたは耐えられる?」
「………無理です」
「そう………。理解できたか。でもなー!あいつも嫌な奴だよね!こんな純粋な子を惚れさせるなんてーッ!」
「はは………ッ」


なんて答えたらいいかわからないや……。


「さっ!早く行かないと遅れちゃうんじゃない?悪かったね。引き止めちゃって……」
「いいえ………。大丈夫です」
「うーん……でももう遅刻かぁ……。サボッちゃう?」
「え………ッ!?」
「あたしもこれからサボりなの」
「そ……そうなんですか」
「こらっ!変な事教えるなよ………」
「あ…………」
「ゼファ!いつ戻って来たの!?」
「さっき。ヤブ医者が派手にやったせいで早く帰って来れた」
「そう………。ならよかった。今回は怪我して来なかったでしょうね?」
「お陰様でな。って、……おい。もう大丈夫だぞ。お前は授業行って来い!もし怒られたらこいつのせいにしていいから」
「えー!?なんでそういう事言うのー?」
「いいから!ほら!行って来い」
「は……はい」