「はぁ〜………」


溜め息。 脳内の容量以上の情報が入ってきすぎたのといきなりあんなん見ちゃったせいで……。なんか吐きそ………。


なんでこんなんで帰ろうとしちゃったんだろ?仮眠室に泊まればよかった…。な……なんか幻が見える…………。約100メートル先にゼファさん…。繁華街にゼファさん……。


ん?約100メートル先にゼファさん!?


━━━ダメなのわかってても言っちゃった方が楽だよ?━━━


「ゼファ様キタ――(゚∀゚)――!!」


1年も見なかったのに今日これで二度目だよッッ!?これは……これはチャンスッッ! 走れ走れ…………!見失ってしまう!


「ゼ……ゼファさんッッ!」
「は?」
「あ………あの……すっ………好きですッッ!」
「…………………………………」
「…………………………………」


チ―――――――ン


………オワタ。


「ごめん無理」


………………行ってしまった。行ってしまわれた。そしてゼファさんの後ろ姿を見送ると………。


「うそ……………一緒にいるなんて知らんし…」


ゼファさんの影に隠れてランキング1位の彼女もいた。


チ―――――――ン


………オワタ。 瞬殺。


しかも話し声がまだ聞こえる…………。


「なぁ、お前いんのに告ってきたぜ?勇気あんなー!あのチビ」
「知らないよ。ってか………………、チビって単語そうやってすぐ使うのやめなさいよ」
「…………あ!もしかしてお前がチビすぎるから俺に隠れててわかんなかったんじゃねーの!?」
「うるさい!チビって言うな!」


…………だって……。だって本当に気付かなかったんだもん……。


「……言わなきゃよかった」