他にもあの人が好きな人たくさんいるんだろうなー。彼女さん……。どういう人なんだろ?工作員のすっごい綺麗な人…。工作員は元々人数が少ないって聞いた事ある。だったらすぐわかりそうな気がするけど………。


すぐわかりそう?やっぱりそんなに甘くはなかったみたい。 工作員って一体なんなんだろう?ちっとも見かけない。見かけないままあたしは養成所の1年目を終えようとしていた。


「お兄ちゃんお腹空いた」
「じゃあ、食堂行ってくればいいだろ」
「アンザック腹減った」
「なんだよシュライクもかよ」
「お腹空いた」
「だから行って来いって!」
「アンザックなんか買って来て!」
「腹減ってんならお前らが行って来いよ!俺はパシリじゃねぇ!」
「なんだよケチ!」
「鬼だな……………」
「俺は腹減ってねぇんだよ!」


ギュルルルル〜……………


「「……………………………」」
「……………おい、お前ら〜。食堂行こうぜ!」
「アンザックも腹減ってるんじゃないか…………」


今年最後の課題を提出しに教官室へ向かう途中だった。エレベーターホールの前の休憩所で男の人2人、女の人1人の軍人さんが
何やら騒いでいた。 この3人はよくこの場所でたむろしているのを見る。


………もしかしてサボリ?


けどね、いつも気になる事があった。女の人だけ真っ黒い他の2人とは違う軍服を着てるんだ。テンパッててよく覚えてないけどゼファさんの着てたのもたしか真っ黒だった気がする。あの女の人も工作員
なのかな?工作員って女の人何人いるの?ゼファさんの彼女さんのこと知ってるかな?


━━チンッ………ガラガラ……


「……あぁ…………ッッ!」


ゼファさんだ………。


思わず声をあげてしまった。養成所1年目の最後。やっと………!やっと見れました!降りてきたエレベーターから出てきたのは愛しの愛しのゼファさんだった。エレベーター待っててよかった!………よかったぁ〜。