第8部隊の働きのおかげで最後まで本部にいる人間は無事でいられた。 戦は敗北に終わったけど、これ以上傷付く人が増えないのならそれはそれでいい。結局、私は養成所を卒業しないままヴァリーフォージは解体された。



━━━その後も、 ゼファさんに頼まれた事をおねぇさんに伝えられる日はこなかった。



彼は、彼女に渡した桜にどんな想いを託したんだろう?その想いはきちんと伝わったのかな?


「ゼファー!?………もうッ!どこ行ったのあのバカ!」
「イセルナ。迷子になるから勝手に行くなよ!」
「あッ!いた!どこ行ってたの!?」
「それはこっちの台詞だ。早く行かないとあのヤブ医者うるさいぞ!」
「あぁー、嫌だ嫌だ。アレクトの奴口ばっか達者なんだから………」
「うーん…………じゃあ、寄り道してくか?」
「そうしちゃうッ!?」
「そうしよう。あいつはほっとこう」


桜の想いは届いたようだ。それを私が見届けたのはあれから10年近く経ってから。まだ瓦礫の残るこの街で、寄り添って咲く桜の花の様に2人は 一緒にいた。




━━END━━