まるで次元が違う……。


「あいつらにとってはまじないみたいなもんなんだろ」
「まじない?」
「あぁ。死なねぇ様にってな。それか行く前に渇入れてやるみたいな。そんな感じ?」
「なるほど…………」


あたし達がダベッてると、エントランスからこのエレベーターホールへ おねぇさんが上がってきた。


「おつかれさん。お前は次いつだ?」
「3日後」
「また入れ違いなのか」
「そうみたいだね」


それだけ言うとおねぇさんはエレベーターに乗ってどこかへ行ってしまった。


「そういえば………、工作員の詰所みたいなとこってどこにあるんですか?」
「さぁ?知らねぇな」
「え?」
「多分俺達と同じ階なんだろうけどな」
「………………」
「けど今のアレは遺伝子工学研究所に行ったんだろ」
「遺伝子工学研究所?なんでおねぇさんがそんなとこに?」
「昔からよく出入りしてんだよ」
「あいつが工作員になったのは少なからずその辺が関係してるんだと思うんだよな」
「難しいですね……」
「あんま首突っ込まない方が身のためだ」


おねぇさんを知れば知る程わからない事が多くなってくる。アンザックさん達もあんまり首突っ込むなって言う。 でもあたしだけかな?おねぇさんの目はいつも助けを求めてる様に見えるんだ。


ゼファさんが任務に出かけてから3日間、おねぇさんの姿も見る事はなかった。