最後の涙


飛行機に入るとスタイル抜群のCAの方々のお出迎え。
隣で「うひゃー美人さんやな」とか「あれ?靴脱ぐん?」
なんて天然発言をしている純くんの手を引いて席に座る。


「ってゆーかさ…」

「なに?さきちゃん」

「なんで新幹線じゃないの?」

「あー…そやねぇ。早いからやない?」

「…適当やな。あたしお金出してへんけど…」


純くんは不気味な笑みを浮かべながら「内緒」と呟いた
なにが内緒やねん なんて心で突っ込みながらスルーした


「ってかさきちゃんさ、草太の隣やなくて良かったん?」

「純くんのお願いがあってね…」

「なに?」

「さっき、待ってる時に草太に言われたんだよね。一緒の部屋にならないかって…」

「へー」


興味なさそうにコンビニで買ってたおにぎりを口にほおばる、
まだ離陸してないんやけど…?


「純くん、草太と意地でも一緒になってくれへん?」

「なんでー?嬉しくないん?」

「3日もあるんやで?眠れなくなるやん!」

「ははっ!そりゃそーやんな?ええよ」

「ほんまっ!?ありがとーう!」

「ってか飛行機の席ぐらい草太となれば良かったんに…」


今の座席の順番は

あたし 純 通路 百合 草太

通路を挟んでいるから百合と草太にこの話を聞かれない


「いーよ、別に」

「んじゃあ、ディズニーランドが勝負やなー。うんまっ!」

「ただのコンビニのおにぎりやんっ」

【ただいまから離陸いたします】

「あ、離陸するって!純くん」

「俺これ嫌いやねんなぁー」