たった一言だけ

聞こえたワンフレーズ。




「どしたん?さきちゃん」



あたしは自然と涙が出た。

なんだろ…たぶん草太は本気じゃないって事がよくわかるからかな…


「えっ、ちょっと待って;
ほんまどないしてん!」


てんぱる純くん。


「さーえーきー!」


草太が寄って来そうになった瞬間


ギュッ…


純くんがあたしの顔を見えないように
抱きついてきた。


「今、さきは俺のやから」


いつもの純くんののほほんとした声でなく
低く、真剣な声が聞こえた。


「えっ、あ、うん。わかったぁー…」


草太が去りゆく音が聞こえた


「ふぅー…大丈夫やった?
あ、もう泣いてないんや 笑」


顔を見ると、さっきの純くんに戻っていた


「真剣な純くんのがかっこいいのにぃー」

「なんやそれっ!笑」

「ううん、ありがとね」