それから2カ月が経った秋。

周りが受験一色になりつつある中で、私はまだ自分の答えを出せずにいた。

「はぁ…」

「七海、最近ため息多いねー。」

一緒に進路調査の資料を運ばされてる夕貴が苦笑いする。

「うんー。」

推薦の事は、夕貴にも相談できないままでいた。

「「失礼しまーす。」」

職員室に入ると、大悟の姿があった。

夕貴が私のほうを見たけど、大悟に気づかないふりをして担任の先生に方に向かう。


…何の話をしてるんだろう…


テニスをしているとき以外では見たこともないような大悟の真剣そうな顔が、少し気になって、大悟達のほうに耳を傾けた。

「じゃぁまだ決まってないのか?」

「はい。」

「もう10月だぞ。」

「…」