線路の上
今日の電車はもう
向こうの方へ


ここの高さは
地上と変わらないから
太陽はいつもとおんなじ位置


欲しいものが
時が刻まれるその度に
変わってゆく
追うのが無駄なことだと
やるせない勘違いしたのも
そんな頃だったさ



差し出された箱
中にあるものは全部
見る術の無い僕等には
おんなじものにしかならなくて



陽を隠して
黒くなってゆく山
伸びる影が


自分にまで
届いたという事が
急に恐ろしくなったっけ



隠したものが
時が刻まれるその度に
暴かれてって
止めるのが精一杯だと
あほらしい勘違いしたのも
そんな頃だったさ



差し出された箱
選択から逃げる判断
それすらも選択なんだと
思い知らされる前に何ができるの



投げ出された箱
逃げる判断を捨てた
無数に見えた道の全て
指し示す場所は一緒だったから