「ずっと前から…すっ好きだったんです。付き合ってください!」
顔はもう、湯気でも出てきそうなくらい真っ赤だ。
それでも、真っ直ぐこちらを見ている。
私は、困ったような顔をしてみせる。
「あの……ごめんなさい。」
そう言って頭を下げる。
申し訳なそうな表情で顔を上げる。
「気持ちはうれしいんですが、その…。」
私の様子を見て、慌てだす。
「いえっっいいんです!困らせてごめんなさい。それじゃあっ!!」
来た道を走って行ってしまった。
私はそれを見送ると、家路を歩き始める。
今までにも、何度かこういったことがあった。
最初の頃は驚いたが、今ではもう慣れた。
困ったような顔をすれば、向こうから去っていく。
私は、彼らとの恋愛には、なんの興味もない。
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