学校に着くと、俺は学校を見上げた。
デカい。
なんだこのでかさは。
あの義父の家もでかかったが、その倍はある。
こんなに金があるなら、少しは施設へ寄付しろよ。
自分の為ばかりに遣いやがって。
やっぱり金持ちは嫌いだ。
これからは金持ちの中で暮らしていくのか。
ものすごく嫌だが、優月といられるんだ。
我慢しよう。
近くの生徒に職員室の場所を聞いて歩き出すと、後ろから¨転校生¨という言葉が聞こえてきた。
やっぱこういう学校は転校生少ないのか?
だったら直ぐに噂になりそうだな。
嫌だなぁ。
職員室へ行くまでに何度も行き方を聞かなければならないほど広く、職員室は遠かった。
それでも辿り着いた職員室のドアを開ける。
「失礼します。編入生の野田です。」
すると、奥から男が出てきた。
「おお、野田!待ってたぞ。皆お前が来るのを楽しみにしているんだ。」
うわ…
でかいな。
豪快だし。
「担任の先生ですか?」
「あぁ、スマン。担任の森だ。よろしくな!」
ニカッと笑った。
俺は、例の猫被りの微笑みをする。
「今日からよろしくお願いします。」
大人相手だと、もう癖になってきている気がする。
会社の評判を落とすわけにはいかないから、しかたないけど。
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