眉が寄るのが自分で分かる。
鋭い。
「やっぱ、そうなんだ。」
岡部を睨む。
私だけの領域に踏み込まないで。
「関係ない。余計な詮索をするな。」
「何も言わないつもり?」
怯むわけない、か。
「言わないといけないの?」
「うん、目障りだから。」
視界の端でちらちら動くのが、そんなに目につくのだろうか。
意外と心が狭い奴。
「悪かったね。じゃあ、もう動かないようにするよ。」
「そうじゃなくてさ……。」
「ん?」
「橘じゃないよ。」
主語がない。
言いたいことが分からない。
「なにが。」
「さぁ?」
首を傾げて惚ける。
・・・・・。
はぁ〜。
馬鹿馬鹿しくなってきた。
「何が言いたいのか分からないけど、全部あんたの都合でしょう?」
「どうだろうね。」
振り回されてるような感じに腹が立つ。
必要以上に私に関わるな。
「…私、教室戻るから。」
後ろの扉から出て行く。
岡部は、何も言わなかった。
教室に戻った私を迎えたのは、翔の視線だった。
あんな話をしていたから、尚更痛い。
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