「うん。」
教室を出て行く岡部にの後をついて行く。
私と岡部がよく話してるのを見ているクラスメイトたちは、何も言わない。
背中に刺さる視線はきっと、翔のもの。
しかも、あまりいい雰囲気ではない。
なんなんだ。
翔は不可解な行動ばかりする。
岡部に連れてこられた屋上は、基本的に立ち入り禁止。
だから、誰も居ない。
私が扉を閉めると立ち止まり、振り返る。
私は扉の前で足を揃える。
「あの野田って奴、何?」
直球で聞いてきた。
いつもなら眠そうに半眼になっている眼が、はっきり開いている。
雰囲気もよろしくない。
どいつもこいつも…。
「突然どうしたの。」
「様子が変。ちらちら気にしてるし。」
…………。
休み時間ずっと寝てたじゃん。
授業中は黒板みてたよね?
顔の横に眼が付いてるのか?
こいつの超人ぶりにはもう驚かないけど。
「どうでもいいでしょ。気にすることじゃない。」
ほっといてよ。
「よくない。もしかして、笑わないのって、アイツが原因?」
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