空色の初恋




教室は、転校生の話で溢れていた。



窓際の一番後ろが私の席。



サボりやすそうだけど、結構あたる。



間違えたりはしないので、成績は上がるが、やる気のない人間には迷惑だ。



カバンの中身を片付けると、「はよ。」と声をかけられた。



「おはよう。」



と笑顔で返す。



岡部 慎哉 おかべ しんや



学年2位の秀才。



やる気のない状態で。



本気を出せば三年生にも勝てる。



次期会長候補。



生徒会は嫌がる本人を無視して、現副会長に任命した。



葵も会長候補だが、最もらしいことを並べて断ったらしい。



岡部が断ることは分かりきっていたので、その機会は与えられなかった。



隣の席に座っている岡部の顔をみる。



茶髪に眠そうに形を変えた切れ長の目。



無口でクールなのに、いざという時頼りになる。



運動神経抜群。



本気をだせば。



これでモテない筈がない。



学園で1番の人気者。





そして───