BABY×DOLL

「えっ!?そ、それは『行かない』って意味?」

「ち、違うよ…虎と…ホテルに行くって言ったの」

「で、でも…ちゃんと考えていいよ。こんな事、男に任せちゃダメなんだから」

「どうして?」

「…オレは行きたいの!でもセリカは初めてなんだし…後悔するかもしれないだろ?セリカを…傷つけたくないからさ」

──行って何をするかくらい理解してる。

そりゃ初めてだし怖いって思ってるのも事実。

だけど後悔なんてするの?
あたしが芸能人だから?
純潔を守らないとダメなの?

重要なのは自分の気持ちだよね?

「あたしは…もう気持ちは決まってるよ」

彼に愛されたい
あたしという人間を

そして彼を愛したいから

後悔なんてするはずがないの

もう四ヶ月以上も恋してるんだよ?

もう待てないよ…

「ありがとう…」

そう言って虎は、あたしの手を握った。

信号は青に変わり車はとうの昔に走り出している。

これから走る先に何があるのかわからない…

だけど怖くない。
虎之介と一緒なら…



しばらく車を走らせ街からは外れて、民家もない…暗闇の中に一つだけ青く光を放つ建物へと

吸い込まれるように車を寄せた。