BABY×DOLL

あたしは恐る恐る、その男の顔を見た。

男は嬉しそうに笑いながら…かけていたグラサンをずらして目を見せた。

「……と…!!」

───虎!!!!

あたしは大声で名前を呼びそうになり、慌てて口を押さえた。

「ね、遊びに行こ?」

あたしは安心して、涙が出てきた。
こんな事で泣くつもりじゃなかったのに…

「ビックリした…もう帰ったんだと思ったし。意地悪!」

彼はあたしの涙を拭い優しく笑って言った。

「ゴメンね。可愛い子がいたから、ついナンパしたくなっちゃった!」

「──それ、あたしの事?」

「もちろん!会いたかったよ…!」

そう言われて、あたしは今まで我慢してきた気持ちを抑えきれなくなり
彼に抱きついた。

「セ…!?」


──会いたかった…

ずっと会いたかった

寝ても覚めても
貴方の事ばかり考えていた。

呼吸するのも苦しいくらい辛かった。

今、彼に触れなければ後悔する。
そう思うより前に身体が彼を欲していた。

彼も、あたしを強く抱きしめてくれた。

ここが渋谷だろうが
どれだけ人が見てようが

そんなの構わない
──構ってられない。


あたし達はその場で


三度目のキスをした。