BABY×DOLL

それまで隣で黙っていた遠藤さんが言った。

「遠藤くんの話しで、しばらくは休ませた方がいいって事になったんです…が」

「ですが…すみません。セリカの精神状態が不安定なのだと知りながら、それまでの行動を反省してほしくて『仕事はない』って言ってしまったんです。

それがさらに彼女をそういう行動に走らせてしまったのではないかと思って…」

そう言うと遠藤さんは頭を下げた。

「え、遠藤さん」

「セリカ…ごめんなさい」

「じゃあ仕事がないって言うのは…」

「貴女ほどの子が、あれくらいのスキャンダル報道されて、半年程でオファーがこなくなったりするもんですか」

「嘘…だったの?仕事はあったの?」

「もちろん。でも出来の悪い仕事をして期待を損ねるよりは、何か理由つけて休んでる方が良かったのよ」

遠藤さんの話が嘘みたいに思えた。

だって──もう終わりだと思って、自暴自棄になっていたんだもの。

こんなに周りの人達は、あたしの事を考えてくれてた。

胸が熱くなる──

「ありがとう…遠藤さん、そして社長も。あたし全然分かってなかった。こんなに考えてくれてたのに…結局、期待を裏切るカタチになってしまったんですね」