BABY×DOLL

中にはベッドと、一通の真っ白な封筒が置いてあった。

「これは何?」

「手紙よ。お母さん宛にね。中は…私達には必要ないわ。本当に子供を入れに来た人が読むべき手紙だから」

「そう…」

あたしはもう一度、龍之介を抱きしめた。

「今までありがとう…龍之介」

それだけ言うのが精一杯で、あたしは琉嘉に龍之介を渡した。

琉嘉も龍之介を抱きしめ、頬にキスをする。

「ありがとうね。大好きだよ」

彼女も涙声で、龍之介に囁いていた。

琉嘉とあたしは目を合わせ、無言で頷いた。

そして龍之介を中のベッドへ寝かす。

目を覚まさないのが幸いだった。
それから『龍之介ノート』を一緒に中に入れた。

琉嘉が静かに扉を閉める。
あたしの視界はにじんで、消えていく龍之介の姿をぼんやりと捉えていた。

──サヨナラ…


龍之介…大好きよ…

ありがとう───








「琉嘉──」

'終わったね'
そう言いかけた時

パッと一斉にライトがついた。

まるでステージに上がっているかのような瞬間。

でも違った──…

あたし達は一瞬で警官に取り囲まれ

「署まで来てもらいましょうか」

そう言って、身柄を拘束された。