BABY×DOLL

案外、冷静に
琉嘉が帰るのを待てた。

今までジタバタしてた分、ちゃんと終われる覚悟ができたのかもしれない。

「ピンポーン」

いつもの時間通りに琉嘉が帰ってきた。
あたしは笑顔で出迎える。

「おかえり」

「ただいま」

琉嘉も笑顔だった。それが少し悲しかった。

「鷺沼さんは?」

「まだ居るよ」

「あ、そう。一緒にご飯食べるかなぁ?」

そう言って琉嘉は買ってきたものを差し出した。
その袋に見覚えがある…

「これ…もしかして琉嘉が買ってきたの?」

「うん。めっちゃ高かった!」

──最初に二人で食べたお寿司。

同じ店の紙袋だった。

「何で…」

「最後だから食べたくなったの。ね、鷺沼さん!お茶入れてー!」

「何、何?」

鷺沼さんがヒョッコリ顔を出した。
琉嘉が笑顔で袋を鷺沼さんに見せた。

「高級お寿司!食べれるよね?」

「おぉ!?寿司!食べる!食べる!」

「良かった、たくさん買ってきて。…セリカ、何泣いてんのよ?」

「だって…だってぇ」

ホントに今夜でお別れなんだと思うと切なくなっていた。

「食べよ、ね?」

「…うん」

あたしは泣きながら食べた。

これが最後の晩餐だった