BABY×DOLL

最初は憎んでさえいた龍之介の誕生。

彼はその誕生までの間、あたしの歌を聞いていたのかもしれないと聞いて、あたしは複雑な気持ちになった…

これは、あくまでも琉嘉の予想。本人に聞かなくちゃ真実なんてわからない。

でも…二人が一緒にいた数ヶ月を想像すると苦しい。

どんな風に理解し、解釈して自分の中に受け入れなければならないかわからないけど

ただ──もう…

「セリカ、私達は間違ったのかもしれないわ。少なくとも龍之介から母親を奪った事も、母親から龍之介を拐った事も…」

「──うん」

「小林仁奈には仕返しするべきじゃなかった。だからね、もう龍之介を返してあげよう?

そんなの私の単なる想像かもしれないけど…もう十分よね?」

「──うん…」

あたしの目には大粒の涙。その視界には龍之介がいた。

もうボヤけて、ちゃんと見えない天使のような笑顔…

「…セリカ、泣いてるの?」

「ううん、平気。今夜ね。どうすればいい?」

「色々考えたり計画してたんだけど…もうどうでもいいわ。迎えに行くから、一緒に病院のポストに入れに行こう。それでいい?」

あたしは涙を拭った。


「いいよ…」