BABY×DOLL

正直、仕事にはならない。

だけど集中はしていた。仕事をしながらも今夜のシフトをチェックしたり、時間があれば病院の外にマスコミがいないかどうか調べていた。

多分、大丈夫。

龍之介を連れ出した時のように、中で私が待つような事もない。

龍之介は『赤ちゃんポスト』に入れる。

最初からそれは変わらない。その方が楽に龍之介を戻せるのは明らかだった。

匿名性を持たせる為にポストや、門からポストまでの通路にカメラ等は置いていない。

それが最大の利点。

目撃者がいなければ、誰も私達が犯人だとは思わないだろう…。

本来なら、小林仁奈や、正己や、この病院や──様々な人に迷惑かけた事を詫びて償わないといけないのかもしれないけれど

セリカにとっては、これでチャラになるの。

きっと無事に龍之介をポストに入れて、私達はそれぞれの生活に戻る事ができる───

計画は上手くいくと確信しながらも、念のため自分のロッカーの中を整理しておいた。

決行時間を決めて、後はセリカに電話するだけだ。

携帯電話をポケットにしまい込み、屋上へ行こうとして廊下を歩いていた時

通りかかった病室の中から大声が聞こえてきた。