BABY×DOLL

今までしてきた事が全てムダになる。

私は小林仁奈に面識も恨みもないのに、セリカの手助けをし、ただ子供を誘拐したにすぎないって事になる…

勘違いからした事ではなかったにしろ、これじゃあまりにも…

急に力が抜けて、立てなくなった。そして床に座り込む。

とにかくショックだった…後悔みたいなものが、ドッと波のように押し寄せる。

「琉嘉?!大丈夫か?」

「…平気!触らないで」

私は正己の手を払い退けた。

「具合が悪いんじゃないのか?顔色が悪い」

「平気だってば!ほっといてよ」

優しい正己の態度に、私の罪悪感はますます膨れ上がっていった。


──帰さなきゃ…

龍之介を、早く母親の元に戻さなきゃ…!

今すぐにでも帰したいくらいよ!

あぁ…私達…何か間違っていたのかもしれない…



時計を見ると、もう仕事に行かなきゃいけない時間だった。

「どこか空きのベッドで休ませてもらおう」

正己は私を気遣い、抱き上げようとした。私は自分一人で立ち上がり、正己に告げた。

「仕事に行くわ…」

「何言ってんだ?!仕事だって?お母さんが亡くなったんだ。しばらく休むと連絡しろ!」

「ダメよ!行かなきゃ!」