BABY×DOLL

「ピ―――――…」




彼女の心臓が停まったのを告げる音が、部屋中に鳴り響いた。

「今更そんな事言う?!それで逃げるの!?」

「どいてください!」

部屋に入ってきた医師や看護師に押さえられてもなお、私は母親に文句を言い続けた。

「まだ肝心な事、聞いてない!まだ言ってないよぉ…!それで許されるとでも思ってんのぉ?!」

「琉嘉っ、琉嘉…!」

おばぁちゃんも泣きながら、泣き喚く私を抱きしめていた。

「バカじゃないの?いつも自分勝手で!起きて何か言いなさいよ」

延命措置を施そうとしていた医師に向かって、静かに入ってきた田島さんが言った。

「終わりにしてください…彼女の希望でしたから。お母さんも…それでいいですね?」

そう言われて、おばぁちゃんは素直に答えた。

「はい…はい…」



こんな時に
一番言って欲しかった言葉なんて要らなかった…

何故、今なのよ

どうして最期に言うのよ?

こんなの嫌だ。
全然嬉しくない。


もっと楽に、サヨナラが言えたらいいのに

なにもかも思ってる事がちゃんと伝えられたら良かったのに




『さあ、お別れの時間です!

みんなでサヨナラを言いましょう!』