BABY×DOLL

「そうですね…発見が遅かったんです」

「眠ってるんですか?」

「えぇ」

私は母親のベッドに近寄り、静かな寝息を立てて横たわる母親の顔を見た。

…これがあの人?

数年ぶりに見た母親は痩せ弱り、何だか老けこんでいた。

実家にいて男と遊んでた頃の面影はない。
その姿に私は少しショックを受けていた。

こんなに小さい人だっただろうか?
こんなに弱々しい人だっただろうか?

たった数年で、こんなに変わるんだろうか?

あれほど嫌いで、頭の中で生きていた母親の姿はない。

「すみません、何度も電話して。でもお母さん、貴女に会いたがってましたよ」

「私に?まさか」

「本当ですよ。だから…勝手だと思いましたが、彼女の携帯から貴女に連絡したんです。どうしても会わせたくて」

「大きなお世話ですね。と、言いたい所ですけど。とりあえず祖母に連絡してくれてありがとうございます」

「いいえ…私は廊下にでも出てます。お母さんについててあげて下さいね」

「あ、ねぇ…貴方は母とどういう関係なんですか?」

男性は少し黙り…そして答えた。

「私の名前は田島」

「田島…さん?」


「聞いてませんか?私は貴女の父親です」