BABY×DOLL

「もしもし!?」

『―あ!えぇっと…小西琉嘉さん?』

「?!」

電話の向こうの声は、母親ではなかった。予想外な男の声…

私はワケがわからなくて黙っていた。

『もしもし?小西さんですよね?美樹さんの娘さんの――』

男は母親の名前を言った。間違い電話や、ただ拾って電話をかけたって事ではなさそうだ。

「…そうですけど。どちら様ですか?私に何の用で?何故、母の携帯からかけてきてるんですか?」

『電話じゃ説明しにくいんですが…私は美樹さんの古くからの知り合いでね。お母さんの入院してる病院は知ってますよね?』

「はい…」

『とにかく来てもらえませんか?』

「嫌です」

私は即答した。考える必要もない。古くからの知り合いって事は、母親の昔の男なんだろう。

そんな人を使って娘に電話させる?
ホント、あの人の神経を疑うわ。

そうまでして私からお金を引き出したいの?

『キミとお母さんの仲が良くないのは知っているよ』

「だったら分かるでしょう?会いたくないの」

『今、会わなきゃ一生後悔するかもしれないよ』

「…どういう意味?」

『お母さんは…もう長くないんだ』