BABY×DOLL

まるで帰ってきたパパみたいに顔を覗かせた鷺沼さんは、私達の声に驚いた顔をしていた。

私はセリカと話すのがイヤになり…彼が来た事で、とりあえず外に出ようと思った。

「私、出掛けてくるから。鷺沼さんヨロシクね」

「え?あ、ちょっと琉嘉ちゃん!」

彼は慌てて玄関の外まで私を追ってきた。

「なに?」

「何か怒ってる?セリカとケンカでもしたのか?」

「ケンカ?話しにならないだけよ。…龍之介を帰すのがイヤって言うんだもの」

「セリカが?」

「そう。ねぇ、貴方からも言ってくれない?近いうちに帰さなきゃいけないんだって」

「そっか…うん、確かに龍之介は母親の元に戻すべきだもんな。わかった。…で、どこに行くつもり?」

特に決めてはいない。ただセリカの顔は見たくないの。
ムカつくから。

「別に。…イライラするから…こんな日は誰かとエッチでもするかなって。そこらへんの男を引っ掛けてくるかな」

「お、おい…!」

彼の慌てぶりに私は笑ってしまった。

「嘘よ。今日は自分のアパートへ帰るわ…二人の邪魔もしたくないし」

「二人って?」

「貴方とセリカよ。あぁ、龍之介も居たわね。…上手くやるのよ?」