BABY×DOLL

「ダメだよ!龍之介は本当のママに帰さなきゃ!子供が欲しいなら自分で産む事を考えなきゃ」

「もう誰の子供でも構わないって思ってきてるの!だったらって」

案の定、セリカはそう言い出した。
私達は長く居すぎたのかもしれない…。

「でも…さ、よく考えてよ?子供を奪われた母親の気持ちはわかるでしょ?だから帰すのよ?」

「…わかるけど…またあたしは子供を失うの?」

「セリカ…」

セリカの言葉にズキンとする。
私にはまだわからない言葉──だけど、そんな事の為に龍之介を連れ出したんじゃない。

「一人で育てるから!ね、琉嘉は一生黙って見守ってくれない?」

「ダメ!そんな思いつきで出来るような簡単な事じゃないわよ!」

「琉嘉は反対ばっかりするのね!頭で考えて、ダメだと結論を出したものは行動すらしない!それで何か得られた?」

「少なくとも失敗はないわよ!考えが足りないのはアンタでしょ!」

「なによ!ケチ!」

「どうせケチよ!この貧乏芸能人!」

「なんですってぇ!?」




「ピンポン」

呼び鈴が鳴り、鳴らした人物が勝手に鍵を開けて中に入ってきた。

「…あれっ?どうしたんだ?」

「鷺沼さん…」