BABY×DOLL

「セリカって…芸能人だったんだなぁ…」

「何だと思ってたのよ!」

セリカは笑いながら言ってた。

正直言うと、あんまり芸能人って思って接してなかった。普通の女のコで、ちょっと世間知らずな…
それは決して悪い意味ではなかったんだけど。

だから余計、驚いた。やっぱり何か違う力を持ってるんだって思った。

「でもさ、歌ってるトコ初めて見たよ?」

「うーん、何か歌うのが嫌だったんだよね。でも急に歌いたくなって…ねぇ聞いてよ!歌ってたら龍之介が笑うの」

「へぇ~」

「泣いてても、あたしが歌うと大人しくなって、その内に眠っちゃうのよ!スゴくない?あたしの歌」

「何でだろうね」

「あたし嬉しくて!この間までの事が信じられないよ。どうしてあんなに龍之介の事が嫌いだったんだろう」

「今は?」

「大好き!ずっとこのまま育てていきたいくらい可愛いって思ってる」

そう言ってセリカは龍之介を抱きしめた。
私は…その光景を少し寂しく思いながら言った。

「でも、そろそろ帰そか…」

「えっ!?龍之介を?」

「そう。もう予定の一ヶ月を過ぎてるし…」

「ヤだよ!ねぇ、あたしがこのままママになっちゃダメかな?!」