BABY×DOLL

「でも今、離婚や院長の解任…解雇?なんてしたら病院のイメージ悪くなりそうですよね」

「そうよね!まだ外にはマスコミだって居るし…もしかして院長が犯人!?」

「ま、まさか!あり得ませんよ」

「分かんないわよ~」

私は慌てて否定した。


──どうしてこんな事になっちゃったんだろう。

私は病院から正己を追い出したかったわけでも、離婚させたかったわけでもなかった。少しだけ、痛い目を見てくれればよかったのに

仕事を失った挙句、離婚?

私…彼の人生を狂わすほどの事をしてしまったの?

どうしよう…

私は動揺していて、みんなの話に入っていけなかった。

出来れば直接正己に会って聞いてみたいけれど…無理だと思うし。だけど、

会って何を話すの?

謝るなんてできない。犯人だと認める事になるもの。

じゃあ──どうするの?龍之介を帰せばいいの?私が『院長辞めさせないで』なんて言えないし。

何もできないのが現状なのだと思った。
考えても仕方ない。何の力も権力もない、ただの雇われ看護師なんだもの…

もう考えてもムダよ…

それでもやっぱり考えてしまう。様々な憶測や噂が飛び交う中、私は一日中うわの空だった。